自閉傾向の強いお子さんとのやりとり言葉

February 4, 2019

お久しぶりです。

なかなか忙しい日々が続いていて、ブログの更新が滞ってしまい、申し訳ございません。

今日は初めて療育担当の五十嵐がブログを書いてみたいと思います。

五十嵐のブログの場合は、子どもたちとの療育を通して感じたことや考えたことなどを時々書いていけたらなと思っています。

 

最近、子どもたちのトレーニングをしていて、とても多いなぁと感じるやりとりがあります。

自閉傾向が強いお子さんとのやりとりの中でとても多いと感じるものです。

どんなやりとりかと言いますと、例えばものを渡す時などに子どもが「ちょうだい」など私に要求をする場面で、私が「どうぞ」とものを渡す前に、子どもが「どうぞ、ありがとう」と先に言ってしまうのです。

本来であれば、

 

子ども:「ちょうだい」

 

トレーナー:「どうぞ」(ものを渡す)

 

子ども:(ものを受け取って)「ありがとう」

 

という流れがやりとりとしては正解ですが、自閉傾向の強いお子さんの場合はやりとりを1つの言葉として覚えてしまうので、

 

子ども:「ちょうだい、どうぞ、ありがとう」

 

とやりとりとしてではなく、1人で言うものだと覚えている子どもが多いなと感じます。療育をしているお子さんの場合、初期のトレーニングとして要求の仕方を教える場合が多く、「ちょうだい」と言えるお子さんが多いのですが、間違ったタイミングで子どもを褒めてしまったり、おもちゃを渡してしまうと、子どもは「ちょうだい、どうぞ、ありがとう」と言えばいいのだと学習してしまうので、タイミングがとても難しいなと感じています。

そのため、療育中に修正する時には子どもが正しくやりとりをできた時にだけ褒めたり、おもちゃを渡すことを徹底します。子どもは間違ったタイミングで強化(褒めたりおもちゃをあげたりしてその行動の頻度を上げること)をしてしまうと、あっという間に学習してしまうので、トレーナーとしてとても注意を払わなければなりません。トレーナーと子どもとのやりとりのテンポが早いと、トレーナー側が間違って強化をしてしまったり、子どもも間違って学習をしやすいため、修正するときは1つ1つのやりとりの間は1〜2秒ほど間隔をあけてやりとりをするなど色々と工夫が必要になります。

 

また、もう1つ子どものやりとりの中で私が特に注意していることがあります。

それは、トレーナーからかけるやりとりの言葉を一定にしないことです。自閉傾向の強いお子さんですと、状況を判断して言葉を発するというよりは、特定の言葉に対して特定の言葉を返すことを学習しやすいという傾向が強いように思います。

また“ものを要求する場面”で説明させてもらうと、

 

子ども:「ちょうだい」

 

トレーナー:「どうぞ」(ものを渡す)

 

子ども:(ものを受け取って)「ありがとう」

 

というやりとりがきちんと成立しているお子さんであっても、“ものをもらう”という状況は同じなのにトレーナーからの「どうぞ」という言葉が変わるだけで、そのあとの「ありがとう」が言えないお子さんがいます。

 

子ども:「ちょうだい」

 

トレーナー:「はい、あげるね」(ものを渡す)

 

子ども:「・・・」

 

このような場合、子どもは『「ありがとう」という言葉は「どうぞ」と言われてものを渡された時に言うもの』、『あるいは「どうぞ」と言われたら「ありがとう」と言うもの』と学習しています。つまり、要求をしてものをもらうという状況を子どもが自分で考えて判断して「ありがとう」と言っているわけではないことがわかります。「どうぞ」という言葉の後に「ありがとう」と言うことを学習しているだけにすぎません。

そのため、ものを渡す時に「どうぞ」という言葉をかけて、ものを渡さないと子どもは「ありがとう」と言えなくなってしまいます。

しかし、日常生活の場面で求められるのは『誰かにものをもらった時には「ありがとう」と言うスキル』です。全ての人がみんな「どうぞ」と言ってものを渡してくれるわけではありませんので、子どもには言葉ではなく状況に応じた反応を教えていかなくてはなりません。

そのことを踏まえてトレーニングを日々行なっています。だから、子どもにものを渡す時などの場面では色々な言葉をかけて、「ありがとう」と言えるようにトレーニングを行います。例えば、渡す時の言葉かけを「はい」だけにしてみたり、「あげるよ〜」などと言ってみたり、あるいは無言で渡してみたりと色々な「ものを渡す場面」を作って関わっています。

そうしていくことで、子どもたちは「どうぞ」以外の言葉に対しても“ものをもらったときは「ありがとう」と言う”ことを学習してくれます。そのほかの様々な場面においてもトレーナーからの言葉かけが一定にならないようにすることで、言葉で判断するのではなく、状況で判断できるようにトレーニングをしていきます。このような傾向を持つお子さんの親御さんには療育後の報告の時間の際には上記のような内容をお伝えして、お家での関わりを注意してもらう場合があります。

もちろんはじめのうちは、特定の言葉に対して特定の言葉で返すことも重要な時期はあります。しかし、成長して子どもたちが自分で考えて言葉を使えるようになるためには、色々な言葉で声をかけてあげることがとても重要なことなのだと日々感じて療育をしています。

 

 

 

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