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2016.04.24ブログ
心理学と心理相談
みなさんはじめまして。水戸心理・療育センター所長の富田賢史と申します。この度は私たちの活動をたくさんの人に知っていただきたく思い、ホームページ上にブログを開設させていただきました。これから、みなさんのお役に立てるような情報を発信していきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
さて、初めてのブログということで何を書こうか考えてみたのですが、やはり基本的なこと、私たち臨床心理士が心理相談(カウンセリング)や療育をするにあたって基礎としている学問「心理学」と私たちの行っている心理相談との関係について述べたいと思います。
みなさんは「心理学」と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?宗教の仲間という印象でしょうか?人の心が何でもわかって、思い通りにすることができる技術という印象でしょうか?
もちろん実際の心理学はこのようなものではありません。心理学とは、心理について科学する学問を言います。ここでのポイントは科学であることです。科学ということは客観的な根拠に基づいているということを指します。つまり、心理学は、心理というものに対して科学的な根拠に基づいてアプローチしているのです。
これに対し、近年では心理学でないものがその名を語っていることが散見されます。私もこのブログを書かせていただくにあたり、様々な自称カウンセラーの方々のブログを拝見させていただきました。その多くは、占いや前世などの現代では科学的に証明することができないものを実施されている方のブログでした。
それでは、どうしてこのような非科学的な自称心理学が横行しているのでしょうか?この問いに対して私は、「こころ」というものが目に見えないからだと思っています。医学は体の悪い部位、物理学では分子の質量やエネルギーといった対象が目に見える対象を扱う学問は科学的に考えやすい学問です。一方で、心理学は「こころ」という目に見えない対象を扱っているため科学的に考えることが困難なのでしょう。さらに、人は科学的に考えられないと自らの想像力でそれらの対象や現象を説明しようとします。古くから日本でも、夜の暗闇への恐怖感を妖怪やお化けが潜んでいると想像したり、様々なものを大切に扱う精神性から万物には神様が宿ると想像してきました。そして、一度そういった想像が成立してしまうと安易にそれら想像の存在を否定することができなくなってしまいます。このように、多くの人が、目に見えない「こころ」を宗教や占い、前世などの想像によって説明している、一見わかりやすく説明されている情報にとらわれているのではないでしょうか。
それでは、心理学とは、目に見えない「こころ」を科学するとはどういったことなのでしょうか?
私たち心理学に携わる者は目に見えないこころを「行動」によって測定しています。皆さんもおそらく無意識にやられていることだと思います。例えば、誰に指示されたわけでもなく進んでお手伝いをしてくれるお子さんがいたとします。そのお子さんを見て、おそらく皆さんは「素直で良いこころ」を持ったお子さんであると感じるでしょう。このように私たちは目に見えないこころを、行動というフィルターを通して判断しています。
この行動は、態度や言葉、表情といったわかりやすいものから、病気の症状といったわかりにくいものまで様々です。私たち臨床心理士はそういった相談者の行動から、相談者それぞれの問題がどのようなメカニズムで起きており、それらを解消するためにはそのメカニズムの中の何を変えれば良いのかを適切に”見立て”て、それに合わせて柔軟に心理療法を選択しています。ですから、皆さんがカウンセラーに心理相談をされた時に提示される解決策や療法は、科学的根拠に基づいた方法なのです。
このように、私たち水戸心理・療育センターは「心理学」によって問題を見立て、その人それぞれの状態や事情に合わせた心理相談(カウンセリング)をご提案いたします。お困りの方はお気軽にご相談ください。
富田賢史
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