心理学用語集

知的能力障害

(知的発達症/知的発達障害)

​Intellectual Disability

   知的能力障害は、発達期に発症し、概念的、社会的、実用的な領域における知的機能と適応機能の両面の欠陥を含む障害のことです。

以下の3つの基準を満たす必要があります。

 

A:臨床的評価に加えて、標準化された知能検査によって確かめられる知的機能の欠陥。

 

B:個人の自立や社会的責任において、発達的および社会文化的な水準を満たせないほどの適応機能の欠陥。継続的な支援がなければ、複数の日常生活活動が限定される。

 

C:知的および適応の欠陥は発達期に発症する。

 

   知的能力障害では重症度の特定する必要がありますが、知能検査による本来IQの値ではなく適応機能に基づいて定義されます。DSM−Ⅴに数値として重症度の記載はありませんが、全国一般的な知的能力障害の重症度としては以下のような数値が参照されます(厚生労働省のHPから)。

 

軽 度:概ね51〜70

中等度:概ね36〜50

重 度:概ね21〜35

最重度:概ね20以下

 重症度は概念的領域、社会的領域、実用的領域の3つの領域から判断されます。それぞれを以下に示します。

 

●軽度

概念的領域

就学前には明らかな差がないことが多いが、学齢期や成人においては、読字や書字、算数や時間、金銭などの学習技能を身につけることが困難である。成人では上記内容と同様に、抽象的思考、実行機能や短期記憶が障害される。

社会的領域

対人的相互反応が未熟である。例えば、仲間内の合図を正確に理解できなかったり、言語コミュニケーションが幼かったり、情動や行動のコントロールが困難である。そのため、他人に騙されやすい危険性がある。

実用的領域

身辺自立はできているが、成人期においては、食料品等の買い物や輸送手段、家事の調整、栄養に富んだ食事の準備、銀行の取引や金銭の管理など支援が必要になることもある。ただし、娯楽技能に関しての判断や、健康管理上の決断や法的な決断、また子育てには支援が必要であることが多い。

 

中等度

概念的領域

発達期を通してずっと同年代に比べて明らかに遅れる。学齢期前の子どもにおいては、言語および就学機能はゆっくり発達する。学齢期の子どもにおいても、読字や書字、算数や時間、金銭の理解は同年代に比べてゆっくりであり、明らかに制限される。成人期においては学習技能の発達は初等教育の水準であり、仕事や私生活において毎日継続的に支援が必要である。

社会的領域

話し言葉でのコミュニケーションは可能であるが、同年代と比べて非常に単純なコミュニケーションとなる。人間関係の能力は友人関係や恋愛関係を持つこともあるが、社会的な合図を正確に理解、あるいは解釈できないかもしれないため、人生の節目などでの決断には支援者が必要となることが多い。職場でうまくやっていくためにはかなりの支援が必要である。

実用的領域

身辺自立は可能であるが、身辺自立や家事を自立して行うためには長期間の指導と時間が必要であり、何度も注意喚起が必要となるかもしれない。仕事に関しては概念的およびコミュニケーションが限定的な仕事であれば就労可能だが、責任が伴う内容となると、同僚や監督者によるかなりの支援が必要になる。様々な娯楽に関する技能は発達しうるため、長期の支援を必要とする。不適応行動がごく少数に現れ、社会的な問題を引き起こす可能性がある。

 

●重度

概念的領域

概念的な能力の獲得は限られている。通常、書かれた言葉、また数、量、時間、金銭の概念などほとんどを理解できない。世話をする人は生涯を通して問題解決にあたって広範囲に及ぶ支援を提供しなければならない。

社会的領域

話し言葉は語彙および文法に関してかなり限られる。会話は単語あるいは句であることもあれば、ジェスチャーなどの増補的な手段で付け足されることもある。会話やコミュニケーションは今この場に焦点が当てられ、過去および未来についてのコミュニケーションは難しい。

実用的領域

身辺自立は困難で、援助が必要となり、常に監督が必要である。自分および他人に関しての責任ある決定はできない。成人期において家庭での課題や娯楽、および仕事への参加には継続的な支援および手助けが必要となる。全ての技能の習得には長期の教育と継続的な支援が必要である。自傷行為を含む不適応行動は一定数存在する。

 

●最重度

概念的領域

概念的な技能は通常、物理的世界に関するもので、自己管理、仕事および娯楽において、目標志向的な方法で物を使用するかもしれない。物理的特徴に基づいて照合や分類が可能かもしれないが、運動と感覚の障害が併発していると、物の使用が困難となる。

社会的領域

会話やジェスチャーの理解は非常に限られている。自分の欲求や感情の大部分を非言語的および非記号的コミュニケーションを通して表現する。親しい人との関係を楽しみ、身ぶりや合図を通してコミュニケーションを行う。身体および感覚の障害が併発していると、多くの社会的な活動が妨げられるかもしれない。

実用的領域

日常的な生活全ての面において他者に依存するが、その中でも一部に関わることは可能かもしれない。重度の身体的障害がなければ、食事をテーブルに運ぶなどの日常業務をいくつか手伝うこともある。娯楽的な活動(映画や音楽鑑賞、散歩や水遊び)への参加などもありうるが、全てにおいて他者の支援を必要とする。不適応行動が少数であるが一定数存在する。

 

 有病率としては、一般人口の約1%であり、重度知的能力障害の有病率はおよそ1000人につき6人の割合です。

 症状の経過としては、発症が発達期であることから、早期介入および現在行われている介入が、小児期および成人期を通じて適応機能を改善することがあり、この結果、もはや知的能力障害の診断が適切でないほど改善をもたらすこともあります。そのため、乳幼児を評価する際には、適切な内容の介入が提供されるまでは知的能力障害の診断を先延ばしすることが一般的です。年長児や成人では、援助の程度によっては適応機能の改善を認めるようになるかもしれませんが、それが自身に力がついたからなのか、援助によるものなのかは見極めて診断する必要があります。

 

知的能力障害への危険要因は多くあります。

出生前

遺伝子症候群、先天性代謝異常、脳形成異常、母体疾患、および環境の影響(例:アルコール、他の薬物、毒物、催奇性物質)など

周産期

新生児脳症を引き起こすような分娩や出産に関連した様々な出来事

出生後

低酸素性虚血障害、外傷性脳損傷、感染、脱髄生疾患、けいれん性疾患、申告で慢性的な社会的窮乏、中毒性代謝症候群、中毒(例:鉛や水銀)

出典・参考

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・DSM-Ⅴ 精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院 

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